こんにちは、小林です。
今日は梅雨の中休み、天候に恵まれ暑さの厳しい天気になりました。
気温が高くなると多くなるのがエアコンの効きが悪いというお問い合わせ。
エアコンの効きが悪くなるの原因の一つとして、エアコンガスの不足や
コンプレッサー、エバポレーター等の不具合がありますが、もう一つ
コンプレッサーを駆動するベルトの不具合という可能性があります。
ベルトは適度な張りが重要で、張りすぎると緩すぎるとコンプレッサーが故障
したり、緩すぎるとベルトがスリップしたり外れてしまったりとトラブルの
原因となります。
ベルトラインと言って、ベルトが掛かる各プーリーが一直線になっている事も
重要です。
*プーリーからベルトが脱落した例
本日点検させて頂いたメルセデスはベルトが劣化して亀裂が入っていました。
*亀裂の入ったベルト
上の写真の通り、このベルトはもう交換時期ですね。
これが更に進むと・・・
ご覧の通り、切れてしまいます。
パワーステアリング、エアコン、オルターネーターとそれぞれ別のベルトを
使っていれば切れたベルトの部分だけが機能しなくなりますが、最近は1本の
ベルトで全てを賄っている場合多く、このベルトが切れると走行が出来なく
なる場合すらあります。
上の写真にベルトの様にベルトに亀裂が入ると交換時期の一つの目安になりますが、
最近のベルトは、EPDMという熱に強い材質に変わってきたこともあり、亀裂が
入ることも以前と比べて少なくなってきました。
また、特にエンジンスタート時やエンジンをふかした時などにキュルキュルという
ベルト鳴きがすることも少なくなり、ユーザー自身がベルトの異常を感じにくく
なっています。ベルト鳴きを起こすとテンショナーでベルトを張り直しを行い
ますが、最近は著しくベルトが伸びることも少なくなった様に思います。
ベルトの交換時期としては、3年30000kmを交換時期としているベルトメーカーも
あるので、交換の目安となると思います。
また上の写真の工具の様にベルトの溝にあてがい、ベルトの摩耗を具合を測定することで
ベルト交換時期を判断する場合もあります。
ベルトはエンジンルームの高温の中で、エンジンが回っていれば常に回っているもので、
尚且テンショナーでテンションを掛けているので、過酷な条件にさらされています。
いくら材質が良くなり劣化状態が分かりにくくなったとはいえ、使っているうちに
確実に消耗するものなので、摩耗が進む前に交換する予防整備が重要です。
いつもブログで書いていますが、大きな不具合が出る前に消耗品は交換してしまうのが
クルマを長持ちさせる秘訣だと思います。
しばらくベルト交換をしていない方はご注意を。
それでは明日もご安全に!